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国内独学で英検1級、TOEIC満点、IELTS8.5点を取得したATSUが明かす、英語学習の真髄とは?

国内独学で英検1級、TOEIC満点、IELTS8.5点を取得したATSUが明かす、英語学習の真髄とは?

筆者がとあるYouTube動画に衝撃を受けたのは今から4年ほど前のこと。

画面の中の投稿者は、ボロボロに擦り切れた単語帳を片手に、自らの英単語暗記ノウハウを紹介していた。その説得力に圧倒された。思わず動画に釘付けになった。

動画投稿者の名前はATSUさん。英語学習者の方ならYouTubeやTwitterなどで一度くらいは見たことがあると思う。

日本生まれ日本育ちながら、TOEIC満点、英検1級、IELTS8.5点などを取得し、オーストラリア国立大学大学院を卒業後は現地で大手会計事務所の一つに勤務している。とにかくその経歴がすごい。

そんなATSUさんからある日メッセージをいただき、すぐさま「インタビューさせてください!」とお願いをし、今回のインタビューが実現。本記事では、ATSUさんの考える英語学習のエッセンスや英語習得のメリットをお届けしたいと思う。

成長を求めて海外へ

成長を求めて海外へ

ー よろしくお願いします。
現在のお仕事や活動内容等、簡単に自己紹介をお願いします。

日本生まれ日本育ちで、日本の大学を卒業後、2013年にオーストラリア国立大学の大学院に進学しました。そこで会計学修士を取り、2014年に成績優秀で卒業、その後はオーストラリアのメルボルンという街にあるBIG4(世界4大会計事務所)のうちのひとつで、公認会計士として監査業務に従事して4年ほどになります。

英語力に関しては、英検1級、TOEIC満点、IELTS8.5点、TOEFL iBT114点を、会計に関しては米国公認会計士のライセンスを取得しました。

現在は公認会計士として働く傍ら、英語学習メディア『Atsueigo.com』や、YouTubeチャンネルを運営しており、英語学習方法等を公開する活動も積極的に行っています。

 
ー 私もいち英語学習者としてお世話になっています!(笑)
現在の英語力や活躍に到るまでの過程をお聞きしたいです。

英語に関して言えば、高校2年生の終わりくらいに、大学受験をきっかけに英語学習を本格的に始めました。その後、日本の大学に入学してからも英語学習を進めていて、大学2年生のときに「ある程度の英語レベルがものになった」という実感がありました。当時の英語力は、TOEIC970点、英検1級、TOEFL103点でしたね。

それまでは、「英語“で”勉強する」ということに興味があって勉強をしていたのですが、次は「英語“を”使って勉強したり、英語“を”使って仕事をしたい」と思うようになりました。そのときに、「英語の勉強」から「英語で専門分野を勉強していく」という思考に変わりましたね。

その後は、米国公認会計士資格の対策も含め、私の専門としている会計学の勉強を英語で始めました。なので英語学習に関しては、高校2年生から大学2年生までくらいまでかなり集中的に勉強し、それ以降は「英語で何かをする・学ぶ」というのが割合的に多くなっていったという感じですね。

 
ー なぜ会計学を専門に学ぼうと思ったのですか?

英語を話せたところでそれだけでは強みにならず、私がノンネイティブであることに変わりはありません。将来、ネイティブと競争しなければならない社会に身を置きたいと考えたとき、ネイティブに勝てる要素がないと就職は難しいだろうなと考えました。

そこで、英語だけでなく他のスキルも高めて自分の価値を生み出したいと思い、ビジネス分野での共通言語である会計を専門的に学んで英語圏での価値を高めていきたいと思ったんです。

 
ー 進学先としてまた就職先として、なぜ海外を選んだのですか?

理由は3つあって、まず1つ目は、「培った英語力を生かして海外でチャレンジしてみたい」と大学生の頃から思っていたことが大きいですね。また交換留学や語学留学ではなく海外の大学院への正規留学を目指した理由としては、正規留学の方がチャレンジングであると判断したためです。

正規留学はアプリケーションプロセスから全て自分でやらなければいけません。また、そもそも入学するために高い英語力と学部成績が必要で、入学後も世界中から集まる優秀な学生に負けないような努力をする必要があります。そういったプレッシャーの中に身を置くことで、自分を成長させたかったんです。

 
ー 学生時代から明確な計画と目的があったんですね!

はい。海外就職を選んだ2つ目の理由としては、英語力を生かした仕事がしたかったというのもありますが、加えて、世界中から集まった自分と異なるバックグラウンドを持った人たちと、文化的な障壁等なく共同して価値を生み出せるような力を培いたいと思っていたためです。それを実現する上で海外就職がベストだと考えました。

 
ー すると、海外での就職を見据えて、現地の大学院に進学したのですか?

はい。最終的に海外でキャリアを築きたいと思っていたので、そういう観点からも現地の大学院に正規留学することを選びました。

また3つ目の理由として、海外で学ぶとか海外で働くいう経験を、できるだけ若いうちにしておきたいという想いもありました。自分と異なる価値観や物事の考え方・やり方を受け入れて自分の価値観を広げるためには、脳がスポンジのように柔軟な状態である若いときがいいと考えたんです。

日本で就職して駐在を目指したり、外資系で働くというオプションもありましたが、駐在だと時期や行き先が分からないなど不確実要素が多いですし、日本にある外資系だと英語環境と言えど守られている部分もあるだろうなと思っていて。そうした環境は良い面もあるのですが、それによって成長機会が失われてしまうと思ったので、自らネイティブ環境に飛び込む道を選びました。

総学習時間10000時間! 継続できたワケとは?

継続できたワケ

ー ATSUさんの英語力は努力の賜物だと思います。
高校2年生くらいから英語学習を本格的にスタートしたとのことですが、1日だいたいどれくらい英語学習をしていまいしたか?

大学生のときは1日5~12時間くらい、大学院以降は英語環境にいたので、日々の生活や人々との交流が英語学習そのものでしたね。

 
ー なるほど。現在も英語学習は続けていらっしゃいますか?

ネイティブの同僚やクライアントとやり取りをする中で、分からない単語や表現が出てくるたびにそれを書き留めています。そして、それらを自分で真似して使ってみることで、どんどん自分のものにしていくという作業を日々継続的に行っているので、それが英語学習になっています。

オーストラリアに来てからこれまで、約3000個ほどわからなかった単語や表現をノートやWordに書き留めてきて、先日それを基にネイティブと協力して期間限定で単語帳の出版もさせていただきました。
→詳細はこちら

 
ー ざっくりでいいのですが、これまでトータルでどれくらいの時間を英語学習に費やしてきましたか?

集中的に学習した最初の3年間は、平均してだいたい1日7時間ほどやっていたので、学習時間が減った時期も含めると、ざっくり10000時間くらいではないかなと思います。

 
ー 10000時間! 文字通り桁違いですね…
今日まで英語学習を続けてこれた一番の理由は何でしょうか?

一番の理由は、やはり明確な目標が常にあって、将来の自分をイメージできていたのが大きいと思います。

大学受験時代は、ただ英語が好きでがむしゃらにやっていた感覚もあるのですが、それ以降は資格試験等の短期的な目標から、留学後は海外で会計士として就職するという長期的な目標まで、常に目標を明確化して「自分の将来に繋がるんだ」というイメージを持ちながら学習していたことで、モチベーションを切らすことなく学習を継続することができました

 
ー 英語学習をする中で、悩んだり行き詰まったりすることが多々あったと思います。そうしたときにどのように乗り越えましたか

もちろん伸び悩みはありましたが、その度に私は、自分の英語学習方法が論理的に正しいのかどうかをまず考えるようにしていました。ただひたすら例文を暗記したりディクテーションをしたりということは避けて、「英語学習の先に自分が達成したいことは何なのか」を考えるんです。

例えば、リスニングができない場合、英単語1語1語を聞き取れる能力を高めたいのか、それとも全体の意味を掴めるようになりたいのかによってやるべきことが違ってきます。このように問題のブレイクダウンをし、それに対して自分のやっている学習が解決策として最適なのかというのを、定期的に見直して効果を測定することが大切です。そのようにして私はスランプを乗り越えました。

もし、自分の学習方法を再評価した上で「学習法は間違っていない」と判断したならば、自分を信じてそのまま学習を継続します。人間なので伸び悩みは必ずあります。でも伸び悩んでるから落ち込むとか、伸びたから喜ぶとか一喜一憂するのではなくて、冷静に状況を判断して、自分がやっていることは正しいと納得できるのであれば、焦らず淡々と継続するタイプです。

 
ー 英語ができるようになって感じる最大のメリットや楽しみは何ですか?

一番は、自分の活躍の場が日本だけじゃなく世界に広がるということじゃないでしょうか。もし日本語しか喋れなかったら、働ける環境はどうしても国内に限られてしまいます。

そして、海外でも働けるというのは、最大のリスクヘッジになると考えています。例えば日本の景気が悪くなったり、何かしらの外的要因で自分の活躍の場が失われてしまった場合でも、自らが社会を移動することで生活する環境を丸ごと変えることができますから。

また先ほどもお話しましたが、他の異なる価値観や文化に触れて自分の価値観をより柔軟にすることができるというのも、大きなメリットであり楽しいところです。

あとは、英語での情報を吸収できるようになるわけですから圧倒的に情報量が増えます。これは多くの場面で有利に立つことができると思っています。

 
ー  そうしたメリットを日々実感していらっしゃるんですね!
YouTubeやSNS等で多くの英語学習者とコミュニケーションを取られていると思いますが、英語学習者が抱える悩みの中でもっとも多いものはなんですか?

「こんなに勉強したのに全然効果が出ないです」と言う声をよく聞きますね。それに対して私が思うのは、「どうして伸びないかをちゃんと原因分析をして、解決策を導くというプロセスをやっていますか?」ということです。

どんな困難な状況でも正しい問題分析を行って改善していけば、英語力は必ず伸ばすことができると思っています。それは自分自身の経験からもそうですし、論理的に考えてもそうです。「何が問題でそれを解決するには何が最適なのか」ということを、ちゃんと考えて学習を進めるというのが重要ですね。

インプット・アウトプットのバランスは?ATSU流 英語学習の進め方

英語学習の進め方

ー 続いて具体的な英語学習法について質問させてください。
ATSUさんの動画の中でも英単語学習の重要性を説かれていましたが、英単語を覚える上でのポイントはありますか?

私の覚え方は、基本的に「使えるようになる」というのを主眼に置いています。英語はもちろん英語なので、日本語を介して話すべきものではないと思うんですよね。

なので、例えば単語帳を覚えるときに、日本語の意味が一緒に載っていますが、それは確認程度で十分、日本語の意味を一語一句覚える必要はありません。その代わりに、その日本語が表すイメージや感覚を強く頭にイメージしながら、実際に発音記号通りに発音して覚えていきます。

ただ、中にはどうしても覚えられない単語が出てくるので、そのときは単語帳に絵を描いたり色をつけたりしながら記憶に残りやすいよう工夫していくのがオススメです。

【ATSU流 英単語学習法】

英単語暗記のコツ

英単語暗記のコツは回転率と3つのステップ【TOEIC満点、英検1級、IELTS8.5点のATSUの英語学習メソッド Vol.1】

9月 10, 2018

 
ー 「覚えなくていい単語はひとつもない」ということですが、なぜそう思うのでしょうか?

理由は2つあって、まず単語暗記の時点で実際に使われているかどうかを判断するのは難しいということです。「こんな単語使わないでしょ」と思っていても実際に使われていることが多々あるんですよね。なので私のように非ネイティブの学習者が、自分の勝手な感覚で必要不必要を判断するのは非常にリスクがあると思っています。

それと、使わないと判断して単語暗記を放棄すると、実際にその単語が使われたときに頭の中にストックがないので、雑音に聞こえてしまって流れてしまいます。すると人がそれを言っていても気づかないリスクがありますよね。この2つの理由から、覚えなくていい単語はないと考えています。

 
ー 一定の英語力がある人ではなく、全く英語が分からない人が英語学習を始めるにあたって、ATSUさんのすすめる最初の一歩を教えてください。

基本的に一番最初は英文法ですね。英文法学習は学習量が少なく、短期間で終わらせることが可能です。

また、文法は英文の構造的な部分を定義する重要な要素なので、英文法を一度マスターすると、あとは単語を当てはめるだけである程度英文の構築ができるようになります。

【ATSU流 英文法学習法】

英文法攻略に必要な2つのフェーズと3つのステップ【TOEIC満点、英検1級、IELTS8.5点のATSUの英語学習メソッド Vol.2】

9月 11, 2018

 
ー 今日までさまざまな学習法を実践されてきたと思いますが、英語学習に「これだけやっておけば良い」というものはなくバランスが大事だとお考えですか?

バランスはもちろんなのですが、自分の学習フェーズに合った学習をするのが重要だと思います。例えば英語学習を始めたばかりのフェーズにおいて、ずっとスピーキング(アウトプット)にフォーカスするのは最適じゃないですよね。インプットの量が限られているので、アウトプットの量も限られてしまいます。

したがって、自分の学習フェーズを念頭に置きながら、何が必要かを考えて学習することが大切です。語彙力が足りないんだったら単語学習ですし、文法が抑えられていないなら文法をやる必要があります。

 
ー なるほど。
では理想的なインプットとアウトプットのバランスも、学習フェーズによって違ってくると?

はい。最初はインプットの割合が多めで、徐々にインプットのストックが溜まっていくにつれてアウトプットの割合が大きくなっていくのが基本なので、自分のフェーズに合わせて比率を柔軟に変えていく必要があります。

 
ー ATSUさんは国内でのアウトプット学習の手段として、長らくオンラインでの英語学習をされていたということですが。

そうですね。オンラインレッスンのいいところは、格安で好きな時間に英会話をできる点です。私は大学2年生くらいから大学院に入るまで、だいたい3年ほどオンラインレッスンを利用していました。

 
ー オンラインレッスンを有効活用するコツはありますか?

「テーマを持つ」というのが非常に重要で、「今日はこの単語を使おう」、「このトピックについて話そう」、「この文法事項を使ってみよう」などのテーマをちゃんと持っておかないと、ただ自己紹介をしたり、好きな食べ物や趣味などといったいわゆる初級レベルの会話で終わってしまいがちです。

他には、自分がリーダーシップをとって会話を進めるのもいいと思います。先生に質問されてそれに答えるスタイルではなくて、自らトピックを提案して会話をリードしていくことを心がけてみてください。

目標はネイティブレベル

目標はネイティブレベル

ー では、今後の目標やビジョンについて教えてください。

現職の公認会計士のキャリアにおいてはクライアントマネージャーを目指しつつ、私の運営する英語学習メディア『Atsueigo.com』をはじめ、英語学習関連の活動の幅も広げていき、自分の英語学習のノウハウや、海外でキャリアを築いた経験を多くの人に伝えていければいいなと思っています。

また英語に関しては、ネイティブレベルを目指しているので、よりネイティブに近づくために何をすべきかを考えながら学習・実践を継続していきたいです。

 
ー 最後に、英語学習者のみなさんにメッセージをお願いします。

自らの経験から、「英語学習は正しい方法で継続すれば必ず結果が出る」と確信しています。

意外にも、「何でこの学習を行っているのか」を考えない英語学習者は多いので、常に自分の学習法を見つめ、「最善の方法は何か」を論理的に考えながら進めてみてください。

これを意識して英語学習に励めば、どんな人でも英語力は必ず伸びていくと思いますので、「しっかりと考えながら英語学習をする」ことを意識してやっていきましょう。私もいち英語学習者として、これからも頑張っていきます。ありがとうございました。

 
ー タメになるお話、ありがとうございました!
 

おわりに

思考と言葉の節々から溢れる自信と確信が伝わってくる、そんなインタビューでした。

筆者もいちATSUさんファンとして、学び多きインタビューとなりました。また、今一度自分自身の英語学習法を見直す機会となりました。

本文中でもご紹介していますが、ATSUさんの運営するメディア『Atsueigo.com』でも、英語学習方法やその他英語学習に役立つ情報がシェアされていますので、ぜひ参考にしてみてください。

【ATSUさんの連載コラム】
・英単語暗記のコツは回転率と3つのステップ
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43706/
・英文法攻略 に必要な2つのフェーズと3つのステップ
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43590/
・英語の発音学習で意識すべきはたったの2つ!発音が劇的に変わる学習法
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43708/
・スピーキング上達に効果抜群の「英語の独り言」マニュアル完全版
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43620/
・英語を聞き取るための2つの力とは? リスニング学習の全貌を公開
https://eikaiwa.dmm.com/blog/45819/
・独学でライティング(英作文)学習をするための「自己添削能力」の高め方
https://eikaiwa.dmm.com/blog/45834/
・ポイントは精読→多読! 英語リーディングの最適な学習ステップを伝授します
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43644/